トヨタホームのオリジナル電気錠「ラ・ロックII」。
付けるとそこそこの金額になるけど、付ける必要あるの?
セキュリティは万全なの?
そのあたりをTawashi流に解説してみます。
セキュリティは万全?
以前の物理キーと比べるとピッキングにも強く、ドアハンドル上下シリンダー錠の片方がピッキングされた場合、もう一方を解錠しないと自動で施錠される仕様となっています。また、万一ドアを破壊された場合もラ・ロックIIは色々喋りますので、気付かないということが少なくなります。
HEMSと連携している場合は、外出先から施錠状態が確認でき、施解錠操作までできるのです。これは便利さとトレードオフですが、セキュリティホールには成りえます。暗号化を使用するWebシステムは、絶対に暗号化の規則が存在するため、開発者または近しい人、そしてシステムに欠陥がある場合ば悪用できてしまいます。
また、自動車のスマートキーと同レベルの暗号技術を採用しているとありますが、巷ではスマートキー対応の高級車をいとも簡単に盗む「リレ-アタック」なる手法が流行っています。
リレーアタックとは?
非常に便利で防犯性も高いと言われてきたスマートキーシステムですが、その仕組みを逆手に取ったのが「リレーアタック」です。スマートキーからは常時微弱な電波が出ていることを前述しましたが、リレーアタックでは特殊な受信機を使用してその電波を拾い、その受信機を中継点としてさらに自動車へ電波を発信。自動車はスマートキーから指示が来たと勘違いし、ロックを解除してしまうという仕組みです。当然、その電波を使ってエンジンを始動することも可能です。
同レベルの暗号技術となると、家の方も心配ではあります。おそらく現時点(2019/05)ではリレーアタックの対策は製品側ではできていないと思います。防犯対策は、犯人グループといたちごっことなるので、致し方ない部分はありますが。
個人でもできるリレーアタックの対策方法がありまして、それは「スマートキーの電波を遮断する」です。
以前ニュースでも紹介されていた方法ですが、スマートキーをブリキ缶に入れておくと電波を簡単に遮断できます。遮断できたかの確認は、ブリキ缶にスマートキーを入れて家のドアで施錠ボタンを押すことで確認できます。ディズニーランドや煎餅の缶は、一家に1つはあるのではないでしょうか。
少し面倒ですが、被害にあってしまったら知らなかったでは済みません。メーカーから損害補償があるとも限りませんし、自衛できるものはするに限ります。
「セキュリティは万全か?」の問いには、
「万全ではないがそこそこ良い」と答えます。
良い点
なんと言ってもメーカーの謳い文句のとおり、持っているだけで施解錠ができるというのがストレスフリーです。買い物帰りには荷物は持っていますし、子供が寝ていれば子供で手が埋まってしまいます。この時に鍵をかばんから探して手に取り、鍵穴をまわすというのは今では考えられません。
あとあまり取り沙汰されていませんが、ラ・ロックⅡを付けるとセットで付いてくるコントローラユニットがとても便利です。
現在の施錠状態が一目で確認でき、リビングで施錠/解錠を行えます。比較的仲の良い来客がある場合はここで解錠して「どうぞ~」ができますし、寝る前の施錠確認もここでできます。
ちなみに上記の緑LEDの場合は施錠中。
下記の赤LEDの場合は解錠中です。
左の数字は、「どの方法で施錠/解錠したか」を表しています。ちなみに9は、このコントローラからの施錠/解錠。スマートキーにはそれぞれ一意の番号が割り当ててあり、スマートキーで施錠/解錠した場合はキー番号が表示されます。
また、スマートキーを紛失・盗難にあった場合に、該当のスマートキー番号をスイッチで無効にすることができます。
こんなの↓
夫婦喧嘩で妻(夫)の鍵番号を無効にするなどの使用法は厳禁です。笑
我が家はつけていませんが、HEMSと連動させると外出中に解錠されるとメールが来たり、スマートフォンから施錠状態の確認ができたり、施解錠までできてしまいます。家族や親族がお土産を置きたいなどの場合に便利!
警備会社のプランに入っているようですね。
悪い点
スマートキーを2.5m以内に置いてしまうと、タッチ機能が無効になります。ぼくは家の鍵と車の鍵を一緒に持ち歩いていて、急いでいる時は玄関先に鍵をぽんと置いておきますが、「ブー♪タッチ機能が無効になりました」というアナウンスが流れてやっちったとなります。しかし、これは置き忘れて第三者が開け閉めできてしまうことを考えると仕方ありませんね。
それよりも個人的に嫌なのが、警戒セットの操作です。ラ・ロックⅡには警戒モードと言って、タッチ操作を受け付けず、電子キー(キーレス)による操作のみ受け付けるモードがあります。警戒モードへは解錠状態から2回、施錠/解錠ボタンを押すことで設定されます。それがよく意図せず警戒モードになってしまうのです。
施錠されていると思ってドアの施錠/解錠ボタンを押す
↓
実際は開いていて、施錠される
↓
もう一回ボタン押そ。
再度、施錠/解錠ボタンを押す
↓
「警戒セットします。タッチ操作が無効になります。」
↓
再度、施錠/解錠ボタンを押す
↓
「ブー♪電子キーで解錠してください。」
(以後ループ)
警戒モードへの設定を、もう少し複雑にしてほしいというのが感想です。
よく電気錠は電池がなくなると解錠できないことがデメリットだなんて言われますが、全然そんなことはありません。普通のドアと鍵になるだけです。
ラ・ロックⅡのリモコンの金具部分には、メカニカルキーという名の物理キーが格納されています。
扉の鍵穴は通常隠されていますが、カバーを取ると鍵穴が露出し、普通のドアと鍵の使い方もできます。
他メーカーと比較して
どこの住宅メーカーも似通っていて、
- リモコンキーのタイプ
- カードタイプ
- スマホタイプ
のタイプを扱っています。それも当然で、ドアを作っている会社はYKK APやLIXILなので卸している会社が異なるだけというイメージです。(厳密にはドアの取っ手部分だけ各メーカーの独自仕様が入る)
一見どれも似た機能に見えますが、カードタイプ、スマホタイプは最大のメリットであるかばんから鍵を出さずに解錠ができません。
「トヨタホームのラ・ロックIIは他の住宅メーカーの鍵に比べて優劣がない」が答えになります。
ずばり付けるべき?
手持ちの自動車がスマートキーの方は、今更物理キーで生活できるか?という点で考えてみてください。
生活必需品とは言い難いと思いますが、間違いなく生活を便利にしてくれます。荷物や子供を片手に家に帰ってきたときには本当に楽だし、以前の物理キーには戻れないと感じます。
ドアの施錠/解錠は毎日使うものなので、毎日の少しの手間を減らせるのであれば、導入する価値は十分あるのではないでしょうか。
以上、トヨタホームのラ・ロックⅡについてでした。
おしまい。